小学生の「工夫して計算しよう」を攻略!算数がラクになる考え方と練習ポイント
目次
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「工夫して計算しよう」は答えを急がず式の見方を変える学習です
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計算のきまりを使い数の組み合わせに目を向ける
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速さだけでなく考え方を説明する力も伸ばしていく
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たし算は十や百をつくる組み合わせを先に見つけましょう
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合計が十や百になる数を見つけて先にまとめる
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順序を入れ替えても答えが変わらない理由を確かめる
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ひき算は数の差や切りのよい数を意識して考えましょう
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引く数を分けて途中の計算をわかりやすくする
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両方の数を同じだけ増やす考え方を具体例で理解する
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かけ算は数を分けたり順序を変えたりして計算を整えます
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かける数を分けて九九で計算できる形にする
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計算しやすい順に並べ替えて切りのよい積をつくる
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小学生が工夫した計算でつまずきやすいポイントを整理します
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たし算やかけ算のきまりをひき算に当てはめない
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式を分けた後に数の書き落としや足し忘れを防ぐ
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保護者からの相談に多い計算の悩みと家庭での支え方
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「暗算はできるのに式で間違える」という悩みを考える
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子ども自身が選んだ計算方法を説明してもらう
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計算力を伸ばす練習は短く続けて理由も言葉にしましょう
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一日に数問でも計算方法を比べる時間をつくる
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買い物や身近な数で切りのよいまとまりを探してみる
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「工夫して計算しよう」の学びを次の算数につなげましょう
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式に合う方法を選び答えの見当もつける習慣を身につける
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正解だけでなく考えた道筋を大切にして算数への自信を育てる
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「工夫して計算しよう」は答えを急がず式の見方を変える学習です
算数の「工夫して計算しよう」と聞くと、特別な公式を覚えたり、暗算を速くしたりする学習だと思うかもしれません。大切なのは、式の中にある数の関係を見つけ、計算しやすい順に整理することです。まずは、この学習で身につけたい力と、工夫する意味を確認しましょう。
計算のきまりを使い数の組み合わせに目を向ける
「工夫して計算しよう」という学習では、式に並んだ数を左から順に計算するだけでなく、数どうしの関係に目を向けます。たとえば、38+27+62なら、38と62を先に足すと100になり、そのあと27を加えるだけです。左から順に計算しても答えは同じですが、切りのよい数をつくることで、暗算しやすくなります。
このような方法を使えるのは、たし算には順序を入れ替えたり、先に計算するまとまりを変えたりしても合計が変わらないきまりがあるからです。38+27+62は、(38+62)+27と考え直せます。かっこを使って式を書き換えると、どの数を先にまとめたのかが見やすくなります。まずは一の位に注目して、合わせると10になる数や、十の位まで含めて100になる数がないか探してみましょう。
保護者からは、「暗算なら解けるのに、式にすると間違える」という相談も聞かれます。頭の中で数を組み合わせても、書き直すときに一つの数を落としたり、同じ数を二度使ったりすることがあるためです。慣れるまでは、先にまとめる数に印をつけ、次に式を書き換えると確認しやすくなります。元の式と書き換えた式を一つずつ照らし合わせ、すべての数が一度ずつ使われているか確かめましょう。
工夫は、いつも決まった手順で解くためのものではありません。式を見て「どの数を合わせると計算しやすいだろう」と考えることが出発点です。最初は時間がかかっても、見つけた組み合わせを言葉にする練習を重ねると、計算のきまりへの理解が深まり、別の式でも使いやすくなります。
速さだけでなく考え方を説明する力も伸ばしていく
計算を工夫する学習では、答えを早く出すことだけが目標ではありません。「なぜその数を先に足したのか」「どのきまりを使ったのか」を自分の言葉で説明することも、大切な力です。たとえば、38+27+62を計算するとき、「38と62を先に足すと100になり、そのあと27を足せば簡単だから」と説明できれば、数の組み合わせに気づいた理由まで整理できています。
説明するときは、難しい言葉を使う必要はありません。「この二つを足すと切りのよい数になる」「かける数を分けると九九で計算できる」など、本人にとってわかりやすい表現で十分です。式にかっこを書き加えたり、先に計算する数に印をつけたりしてから話すと、考えた道筋を伝えやすくなります。説明がうまくまとまらない場合は、「どの数から計算したの?」「その順番にしたのはどうして?」と、答えやすい問いかけから始めるとよいでしょう。
家庭で見守る保護者からは、「正解していても、どう考えたかを聞くと説明できない」という声もあります。これは、考え方がないという意味ではなく、頭の中で自然に行った工夫を言葉にする経験が少ないためかもしれません。すぐに大人が説明してしまうのではなく、少し待って、子どもが使った方法を聞いてみましょう。言葉が出にくいときは、途中式や図を一緒に見ながら確認できます。
同じ問題を別の方法でも解いてみると、説明する力はさらに育ちます。「どちらが計算しやすかったか」「なぜそう感じたか」を比べれば、自分に合う方法を選ぶ練習にもなります。計算の速さには個人差がありますが、理由を考えて伝える経験は、別の問題に取り組むときの手がかりになります。答えだけでなく、そこに至る道筋にも目を向けていきましょう。
たし算は十や百をつくる組み合わせを先に見つけましょう
たし算では、数を見た順に足すよりも、合計が十や百になる組み合わせを先に探すと計算しやすくなります。たとえば、三十八と二十二のように、合わせると切りのよい数になる組を見つける考え方です。数のまとまりに気づくための見方と、式を整理するときの注意点を紹介します。
合計が十や百になる数を見つけて先にまとめる
たし算を工夫するときは、式の中から合計が十や百になる数の組み合わせを探してみましょう。たとえば、38+22+62では、38と62を先に足すと100になります。そこで、(38+62)+22と考えれば、100+22となり、計算を進めやすくなります。数を見た順に足すのではなく、切りのよいまとまりをつくるのがポイントです。
組み合わせを探すときは、一の位から見ると見つけやすい場合があります。38なら一の位は8なので、2で終わる数と合わせると一の位が0になります。ただし、一の位だけで決めず、十の位も合わせて百になるか確かめましょう。たとえば、38と22を合わせると60です。38と62なら、十の位と一の位の両方がまとまり、100になります。式に数がいくつもあるときは、先にまとめたい二つに丸をつけると、どの数を使ったか確認しやすくなります。
はじめのうちは、すぐに組み合わせが見つからなくても心配はいりません。式を見ながら「十になる組はあるかな」「百になる組はあるかな」と順に探す練習を重ねると、数のまとまりに気づきやすくなります。家庭では、買い物の合計を考えるときに、値段を組み合わせて百円や千円になるか探してみるのもよいでしょう。
注意したいのは、まとめた数を最後の計算から落とさないことです。38+22+62を、38+62=100と計算したら、残った22も加えて122にします。途中式を書き、元の式にある数がすべて一度ずつ使われているか見直しましょう。切りのよい数をつくる工夫は、答えを出しやすくするだけでなく、式の中の数の関係を見つける練習にもなります。
順序を入れ替えても答えが変わらない理由を確かめる
たし算では、足す順序を入れ替えても合計は変わりません。たとえば、38+62と62+38は、どちらも100です。38個に62個を加える場合も、62個に38個を加える場合も、合わせた数は同じになるからです。この性質を使えば、式の中で切りのよい数になる組を先に計算できます。
また、三つ以上の数を足すときは、先に計算する組み合わせを変えても合計は変わりません。38+27+62なら、左から順に38+27を計算する方法のほかに、(38+62)+27とまとめる方法があります。どちらも同じ三つの数を足しているため、答えは同じです。先に100をつくると、その後の計算が簡単になります。
「順序を入れ替えても答えが変わらない」と覚えるだけでなく、具体的な数で確かめてみると理解しやすくなります。たとえば、三つの数を並べ替えて計算し、どの式も同じ合計になるか比べます。数直線を使い、進む順番を変えても最後にたどり着く位置が同じだと見る方法もあります。こうした確認を通じて、計算のきまりが単なる暗記ではなく、数の関係を表していると気づけます。
一方、式を書き換えるときには、数の落としや重複に注意が必要です。38+27+62を(38+62)+27とした場合、元の三つの数がそれぞれ一度ずつ残っているか見比べましょう。かっこは、先に計算するまとまりを示す目印です。書き換えたあとも、元の式にあった数をすべて使っているか確認すると安心です。順序を変える工夫は、たし算のきまりを理解したうえで使うと、計算を簡単にする助けになります。
ひき算は数の差や切りのよい数を意識して考えましょう
ひき算は、たし算のように数の順序を自由に入れ替えられないため、工夫の仕方に注意が必要です。引く数を分けたり、引かれる数と引く数を同じだけ増やしたりすると、計算しやすくなる場合があります。どの方法が使えるのか、具体的な式を通して考えます。
引く数を分けて途中の計算をわかりやすくする
ひき算では、引く数を扱いやすいまとまりに分けると、途中の計算を整理しやすくなります。たとえば、126-48なら、48を40と8に分けて、126-40-8と考えます。まず126から40を引いて86、次に8を引いて78です。筆算のように一度に計算する方法とは違い、どこまで引いたかを順に確かめられるため、暗算でも取り組みやすくなります。
数を分けるときは、分けた数を合わせると元の引く数に戻ることを確認しましょう。48を40と8に分けるなら、40+8=48です。分け方を間違えると、元の式とは別の計算になってしまいます。途中式を省かずに書くと、どの数を引いたのかが見えやすく、計算を見直すときにも役立ちます。
子どもが「126から48を引くのは難しい」と感じている場合は、まず十のまとまりに分けて考える方法を試せます。126から40を引けば86となり、そこから残りの8を引きます。さらに、8を6と2に分け、86から6を引いて80、そこから2を引く考え方もあります。どの分け方がよいかは式によって異なるため、計算しやすい方法を選べば大丈夫です。
ただし、ひき算では、引く数の順序を自由に入れ替えられません。126-40-8は、126から40と8を順に引くことを表しています。40と8をまとめて引いているため、答えは126-48と同じです。一方、126-8-40も同じ数を引いているので結果は同じですが、引く数を途中で足したり、符号を変えたりすると答えが変わることがあります。最後に、分けた数の合計と答えの大きさを見直す習慣をつけましょう。
両方の数を同じだけ増やす考え方を具体例で理解する
ひき算では、引かれる数と引く数に同じ数を加えても、差は変わりません。この性質を使うと、引く数を切りのよい数にして計算しやすくできます。たとえば、126-98は、98に2を足すと100になります。そこで、引かれる数の126にも同じ2を足し、128-100と考えます。答えは28です。
なぜ差が変わらないのでしょうか。126から98を引くことは、数直線上で126から98だけ戻ることです。両方の数を2ずつ増やすと、128から100だけ戻る形になりますが、二つの数の間隔はどちらも28のままです。数の位置は移動しても、間の距離が変わらないと考えると理解しやすくなります。
計算するときは、どちらか一方だけでなく、両方に同じ数を加えることが大切です。126だけに2を足して128-98とすると、答えは30になり、元の差とは変わってしまいます。98を100に近づけるために加えた2を、引かれる数にも同じように加える、と順を追って考えましょう。途中式を128-100と書けば、何を変えたかが見えやすくなります。
この工夫は、引く数が十や百に近いときに使いやすい方法です。たとえば、203-99なら、両方に1を足して204-100とすれば、104と計算できます。どんな式でも必ずこの方法が最も簡単とは限らないため、引く数を分ける方法と比べて選ぶとよいでしょう。計算後は、元の式に戻って答えの大きさを確かめます。203から99を引いた答えが100を少し上回る104なら、見当としても自然です。まずは切りのよい数に近づけられる式で練習し、同じ数を両方に加える理由も説明してみましょう。
かけ算は数を分けたり順序を変えたりして計算を整えます
かけ算では、かける数を計算しやすい数に分ける方法や、順序を入れ替えてから計算する方法が役立ちます。大きな数でも、九九や切りのよい数を手がかりにすれば、頭の中で整理しやすくなります。使えるきまりと、分けた後に忘れやすい部分を確認しましょう。
かける数を分けて九九で計算できる形にする
かけ算では、かける数を分けて、それぞれを計算してから合わせる方法があります。たとえば、24×5なら、24を20と4に分けて、20×5と4×5を計算します。100と20を足すと120です。九九で計算できる形に分けることで、大きな数のかけ算も考えやすくなります。
この方法は、かけ算をたし算に分けられるきまりを使っています。24×5は、(20+4)×5と表せます。これは20×5と4×5を合わせた数と同じです。24が五つ分あることを、20が五つ分と4が五つ分に分けて考えているのです。図にするなら、24個のまとまりを20個と4個に分け、そのまとまりが五つあると考えると、仕組みが見えやすくなります。
計算するときは、分けた数を最後まで計算することが大切です。24×5を20×5だけで終えてしまうと、4×5の分が抜けて答えが変わります。途中式に「20×5+4×5」と書き、分けた部分が両方あるか確認しましょう。慣れるまでは、元の数24を20と4に分けたことを、式の横に書いておく方法も役立ちます。
かける数を分けるときは、九九で計算しやすい形を選ぶとよいでしょう。たとえば、18×6なら、10×6と8×6に分けられます。どちらも計算しやすく、60と48を足して108です。数をどのように分けても、分けた数の合計が元の数に戻ることを確認してください。答えを出したあとに、およその大きさを考えると、計算ミスにも気づきやすくなります。まずは分ける式を丁寧に書き、慣れてから暗算に移ると安心です。
計算しやすい順に並べ替えて切りのよい積をつくる
かけ算では、かける順序を入れ替えたり、先に計算するまとまりを変えたりしても、積は変わりません。このきまりを使うと、切りのよい数になる組み合わせを先に計算できます。たとえば、4×25×3なら、左から4×25を計算すると100になり、そのあと3をかけて300です。25×3を先に計算するより、100をつくるほうが見通しよく進められます。
式にかけ算が三つ以上並んでいるときは、まず「どの二つを組み合わせると計算しやすいか」を探してみましょう。2と5なら10、4と25なら100、8と125なら1000になる組み合わせがあります。必ずこうした組があるわけではありませんが、九九や切りのよい数を手がかりにすると見つけやすくなります。先に計算する数に印をつけると、式の見方を整理できます。
たとえば、2×17×5なら、2×5を先に計算して10にし、10×17=170と求められます。どの順序で計算しても、同じ三つの数をかけているため答えは同じです。ただし、式を書き換える際に数を落としたり、同じ数を二度使ったりしないよう注意しましょう。元の式と書き換えた式を見比べ、数がすべて一度ずつ使われているか確認します。
子どもが「どこから計算したらいいかわからない」と迷うときは、すぐに答えを教えるより、切りのよい積になる組を一緒に探すと考え方が身につきます。計算後には、答えの大きさも見直しましょう。4×25×3なら、100に3をかけるため300くらいになると予想できます。こうした見当と計算結果が合っているか確かめることも、工夫して計算する力につながります。
小学生が工夫した計算でつまずきやすいポイントを整理します
計算の工夫を知っていても、式の書き換えや途中の処理で迷うことがあります。特に、たし算とひき算の性質を混同することや、数を分けた後に一部を計算し忘れることはよくあるつまずきです。間違いを責めるのではなく、どの段階で考え違いが起きたかを見つける方法を確認します。
たし算やかけ算のきまりをひき算に当てはめない
計算の工夫で気をつけたいのは、たし算やかけ算で使えるきまりを、そのままひき算に当てはめないことです。たし算は数の順序を入れ替えても合計は変わりませんが、ひき算では順序を変えると答えが変わります。たとえば、90-30は60ですが、30-90は負の数を学んでいない段階では計算できず、同じ答えにはなりません。
ひき算の式に複数の数がある場合も、たし算と同じように自由に並べ替えることはできません。たとえば、100-20-30は、100から20と30を順に引く計算なので50です。これを20-100-30のように並べ替えると、元の式とは別の計算になります。式を変える前に、何から何を引いているのかを確かめましょう。
一方で、ひき算にも計算を簡単にする工夫はあります。引く数を分けたり、引かれる数と引く数の両方に同じ数を足したりする方法です。ただし、どちらも理由を理解して使うことが大切です。たとえば、126-98を128-100とする場合、両方の数に2を足しているため差が保たれます。126だけを128に変えると、答えまで2大きくなってしまいます。
家庭で子どもが式を並べ替えていたら、すぐに間違いと決めつけず、「この式では、どの数からどの数を引いているのかな」と尋ねてみましょう。本人が使おうとしたきまりを確認すれば、考え違いが起きた場所を見つけやすくなります。たし算、ひき算、かけ算で使えるきまりを分けて整理し、式を書き換えた後は元の式と照らし合わせる習慣をつけると、誤りの予防につながります。
式を分けた後に数の書き落としや足し忘れを防ぐ
数を分けて計算するときは、途中の数を書き落としたり、最後に足し忘れたりすることがあります。たとえば、24×5を(20×5)+(4×5)と分けたのに、20×5だけを計算して終えると、4×5の分が抜けてしまいます。工夫した式は手順が増えるため、頭の中だけで進めず、慣れるまでは途中式を残しておくと安心です。
見直すときは、元の式にある数と、書き換えた式の数を一つずつ照らし合わせましょう。24×5なら、24を20と4に分け、どちらにも5をかけているか確認します。たし算で数を組み合わせた場合も、元の数がすべて一度ずつ使われているかを見ます。分けた数を合わせると元の数に戻るか確認するのも、書き間違いに気づく助けになります。
また、計算する前に答えのおよその大きさを予想しておくと、結果を確かめやすくなります。24×5は、20×5より大きく、30×5より小さくなるはずです。答えが100より小さくなっていたら、分けた部分の一つを忘れていないか見直せます。たし算やひき算でも、元の数の大きさと答えが大きく食い違っていないか確かめましょう。
保護者からは、「考え方は合っているのに、途中で一つ計算を忘れてしまう」という相談もあります。その場合は、計算力だけの問題と決めつけず、どの段階で抜けたのかを一緒に探すことが大切です。分けた項に印をつけたり、計算が終わった項を線で消したりすると、進み具合が見えます。途中式を丁寧に書くことは、答えを確かめるための手がかりにもなります。慣れてきたら少しずつ省き、自分に合った書き方を見つけていきましょう。
保護者からの相談に多い計算の悩みと家庭での支え方
「暗算ならできるのに、式にすると間違えます」「工夫する方法を教えても、子どもが使いたがりません」といった悩みは珍しくありません。無理に一つの解き方を覚えさせるより、本人が考えた方法を聞き、別の方法と比べることが理解につながります。家庭で声をかけるときのポイントを紹介します。
「暗算はできるのに式で間違える」という悩みを考える
「暗算ならできるのに、式にすると間違えてしまう」という悩みは、計算の工夫を学び始めた子どもによく見られます。頭の中では数をまとめられていても、それを紙に書き直すときに順序が入れ替わったり、途中の数を取り違えたりすることがあります。計算ができないと決めつけず、どの段階で考えと式がずれたのかを一緒にたどってみましょう。
たとえば、38+27+62を暗算で「38と62で100、そこに27を足す」と考えたなら、その道筋を(38+62)+27と書いてみます。口で説明した順番と式が一致しているか確認すれば、書き間違いに気づきやすくなります。最初から整った途中式を求めず、矢印や丸印を使って、どの数を先にまとめたのかを見える形にする方法もあります。
保護者が声をかけるときは、「どうして間違えたの」と責めるより、「頭の中ではどの数を先に計算したの」と尋ねるほうが、本人の考えを確かめやすくなります。説明を聞いたあとで、紙に書いた式と見比べ、考え方が変わった場所を探します。正解かどうかだけでなく、数の組み合わせに気づいたことや、工夫を試したことも具体的に認めると、次の問題に取り組みやすくなります。
式を書くのが負担に感じられる場合は、一度にすべてを書かせず、まず先に計算する部分だけ記す方法もあります。短い途中式を残す経験を重ねると、頭の中の考えと紙の上の計算をつなげやすくなります。焦らず、本人が使いやすい書き方を一緒に探していきましょう。
子ども自身が選んだ計算方法を説明してもらう
同じ式でも、計算の進め方は一つとは限りません。たとえば、24×5なら、24を20と4に分けて計算する方法もあれば、5を半分にして24×10を求め、その答えを半分にする考え方もあります。子どもが自分で選んだ方法を説明してもらうと、どのきまりを使い、何を計算しやすいと感じたのかが見えてきます。
問いかけるときは、「どの数から計算したの」「どうしてその方法にしたの」と、考えをたどれる質問が役立ちます。すぐに正しい解き方を教えるのではなく、まず最後まで話を聞きましょう。説明の途中で言葉に詰まっても、式や図を一緒に見ながら、「ここで数を分けたんだね」と確認すれば、本人も考えを整理しやすくなります。
保護者からは、「教えた方法を使わず、子どもが別のやり方で解いてしまう」という相談もあります。しかし、答えが正しく、使った計算のきまりにも合っているなら、違う方法を選ぶこと自体は問題ではありません。むしろ、いくつかの方法を比べることで、その子にとって計算しやすい進め方が見つかることがあります。「どちらが簡単だった?」と尋ね、本人の感じ方を聞いてみましょう。
もちろん、方法が正しいかどうかは一緒に確かめます。式に使った数が元の式と一致しているか、計算のきまりを適切に使っているかを確認し、必要なら別の方法でも答えを出して比べます。説明は長くなくてもかまいません。「ここを先に計算すると百になるから」と理由を一つ言えるだけでも、考え方を振り返る練習になります。自分で選び、説明し、確かめる経験が、計算への自信につながっていきます。
計算力を伸ばす練習は短く続けて理由も言葉にしましょう
計算の工夫は、問題をたくさん解くだけでは身につきにくいことがあります。数の組み合わせに気づく練習と、なぜその方法を選んだのかを説明する練習を組み合わせるのがおすすめです。毎日の生活でも取り入れやすい小さな工夫や、無理なく続けるための考え方を紹介します。
一日に数問でも計算方法を比べる時間をつくる
計算の工夫を身につけるには、毎日たくさんの問題を解くより、短い時間でも考え方を振り返る習慣が役立ちます。一日に数問を選び、同じ式を二通りの方法で解いてみましょう。たとえば、38+27+62なら、左から順に足す方法と、38と62を先に合わせて100にする方法を比べます。どちらの計算がしやすかったかを話すことで、数の組み合わせに目を向ける練習になります。
初めは、切りのよい数をつくりやすい簡単な式から取り組むとよいでしょう。慣れてきたら、数を少し大きくしたり、組み合わせを見つけにくい式にしたりして、難しさを少しずつ上げます。時間を競う必要はありません。焦って答えを出すより、なぜその方法を選んだのかを確かめることが大切です。
間違えたときは、正解を書き直して終わりにせず、どこで計算が変わったのかを見つけます。数を一つ落としたのか、きまりの使い方を取り違えたのかを確かめ、必要なら途中式をもう一度書きます。保護者は「どうしてその順番にしたの?」と尋ね、子どもの考えを聞いてから一緒に見直すと、本人が気づきを得やすくなります。
短い練習でも、続けるうちに「この二つを先に足すと百になる」といった見方が身についていきます。できた問題には印をつけ、前に迷った式をもう一度解いてみるのもよい方法です。少しずつ成功体験を重ねながら、答えだけでなく、選んだ計算方法にも目を向けていきましょう。
買い物や身近な数で切りのよいまとまりを探してみる
計算の工夫は、教科書の問題だけでなく、買い物や家の中にある数を使って練習できます。たとえば、品物の値段が38円、62円、27円なら、「38円と62円で100円になるね」と組み合わせを探し、そのあと27円を足します。実際の買い物ではなく、チラシや値札を見ながら考えるだけでも、切りのよい数をつくる練習になります。
身近な数を使うときは、子どもに答えを急がせず、「どの数を先にまとめると計算しやすいかな」と問いかけてみましょう。複数の品物の個数を足すときや、家族の人数と来客数を合わせるときにも、十や百になる組がないか探せます。たとえば、十人と六人、四人なら、六人と四人を先に合わせて十人にすると、合計が見えやすくなります。
保護者が買い物で計算を促す場合は、正確さが必要な場面と、練習として考える場面を分けると安心です。会計前に概算を考え、実際の金額と比べてみると、計算の見当をつける習慣にもつながります。慣れてきたら、おつりを考えるなど、ひき算の工夫を試してもよいでしょう。
日常の数を使った練習は、机に向かう時間を増やさず取り入れられます。ただし、毎回問題を出すと負担に感じる子もいるため、本人が興味を示したときに短く楽しむことが大切です。「百になる組を見つけたね」と気づきを言葉にして認めると、数のまとまりを探す面白さを感じやすくなります。
「工夫して計算しよう」の学びを次の算数につなげましょう
工夫して計算する力は、計算問題だけでなく、文章題で式を立てたり、答えが妥当か見直したりするときにも役立ちます。大切なのは、いつも同じ方法を使うことではなく、式に合った方法を選ぶことです。この記事のポイントを振り返り、学習を次につなげる考え方をまとめます。
式に合う方法を選び答えの見当もつける習慣を身につける
計算の工夫は、どの式にも同じ方法を使うのではなく、式に合う方法を選ぶことが大切です。たし算なら、十や百になる組み合わせがないかを探します。ひき算なら、引く数を分けたり、両方の数に同じ数を足して切りのよい数にしたりできます。かけ算では、数を分けて九九で計算できる形にする方法や、計算しやすい順に並べる方法があります。
計算を始める前に、答えがどのくらいになりそうか考えておくと、見直しにも役立ちます。たとえば、198+203なら、200+200に近いので、答えはおよそ400と予想できます。計算後に答えが40になっていたら、数の書き落としや計算違いがないか確かめられます。見当をつけるときは、数を丸めて考えるなど、細かな計算にこだわらず大きさを捉えましょう。
最初から最も効率のよい方法を選べなくても問題ありません。実際に一つの方法で解いたあと、別の方法でも確かめ、「どちらがわかりやすかったか」を振り返ることで、選び方が少しずつ身についていきます。計算の種類に合った方法を選び、答えの見当と照らし合わせる流れを習慣にすると、正確さを確かめる力も育ちます。正解を出したあとも、式に合う工夫だったかを振り返ってみましょう。
正解だけでなく考えた道筋を大切にして算数への自信を育てる
計算の工夫で大切なのは、正解にたどり着くことだけではありません。どの数に注目し、どんな方法を選んだのかを振り返ることも、算数の力につながります。初めは時間がかかったり、途中で間違えたりしても、自分なりに数の関係を探した経験は次の問題に生かせます。
保護者が見守るときは、答えだけで評価せず、「百になる組に気づいたね」「数を分けて考えられたね」と、具体的な工夫に目を向けて声をかけましょう。間違いがあった場合も、どこで考えが変わったのかを一緒に確かめれば、次に気をつける点が見つかります。
使いやすい方法は子どもによって異なります。いくつかの解き方を試し、自分に合う方法を選べるようになると、計算への不安も和らぎやすくなります。答えを急がず、考えた道筋を大切にすることが、算数に向き合う自信を少しずつ育てていきます。